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後悔しない建機選び

2017年5月19日

後悔しない建機選び!
油圧ショベル編

土木工事や道路工事などの掘削作業に活躍する建機といえば油圧ショベルです。最適なサイズや必要なパワーなど、さまざまな条件から最適な油圧ショベルを選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。今回はあなたの用途にぴったりの油圧ショベルを見つけるためのポイントをご紹介します。

【バケット容量】
一度に掘削できる量を見る

一度にどれだけの量の土砂を掘削できるかを表すのが「バケット容量」です。土木工事のサイクルタイムの計算にも使われるバケット容量ですが、カタログを見ると旧JISと新JISの両方の規格で表記されていることがあります。

バケットにすり切り一杯の容量を「平積み容量」、山盛り一杯の容量を「山積み容量」といいます。JISのバケット容量は新旧ともに山積み容量で規定されていますが、平成6年3月に改正された新JISはバケットの上縁から1:1の勾配で掘削物を盛り上げた場合の容量で表すのに対し、旧JISはバケットの上縁から2:1の勾配で盛り上げた場合の容量のため、同じバケットでもより鋭角の山として積み上げる新JIS表記の数字の方が大きくなります。

そのためカタログの記載の機種と、手持ちの旧機種をバケット容量で比較するような場合には、旧JISなら旧JIS同士、新JISなら新JIS同士、同じ規格で比較する必要があります。

作業現場の大きさで油圧ショベルのサイズを検討する場合には、上記の点に注意してバケット容量をチェックしてみてください。

【作業範囲】
どこまで届くかを見る

その油圧ショベルのバケットがどこまで届くかを調べるにはカタログの作業範囲をみてみましょう。

どれだけ深い穴を掘れるのかを表すのが「最大掘削深さ」で、バケットの爪先が届く深さを示しています。爪先を精いっぱい伸ばして掘削すると、穴の底はお椀状になってしまいます。底が平らな穴を掘削するなら「最大垂直掘削深さ」をチェックしましょう。

深さの次は、掘削の広さです。爪先がどこまで遠くに届くかを表しているのが「最大掘削半径」です。ここで注意したいのは、掘削半径が最大になるのは地面より高い位置だということです。地面の上で一番遠くまで届く距離が「最大床面掘削半径」、一番手前が「床面仕上最小半径」になります。

掘削した土砂などをバケットからダンプする際の作業範囲を表しているのが「最大ダンプ高さ」「最小ダンプ高さ」です。高低差のある作業場所や、積み込む荷台の高さと一緒にこちらもチェックしてみてください。

【掘削力】【定格出力】
ここぞというときのがんばりを見る

油圧ショベルが、どのぐらい力強く掘削できるのかを表すのが「掘削力」です。アームシリンダによって発揮される「アーム掘削力」、バケットシリンダによって発揮される「バケット掘削力」の2つがカタログに表記されています。

シリンダは油圧で作動しますが、その油圧を発生させているのはエンジンなので、「定格出力」でエンジンの馬力をチェックするだけでも、どのくらいのクラスの油圧ショベルなのかの目安にすることができます。

常に100%の力を出して作業するのは、オペレータにとっても建機にとっても負担がかかるもの。できれば能力に余裕のある機種を選ぶとよいでしょう。乗用車と同様、常に負荷をかけるのは避け、定期的にメンテナンスをするのが建機を長持ちさせるコツといえます。

今回紹介した「バケット容量」「作業範囲」「掘削力」「定格出力」などは「諸元」と呼ばれています。カタログには諸元のような数字の情報のほかに、オペレータの快適性やアタッチメントなどいろいろな情報が載っていますが、ぜひチェックしたいのがメンテナンス性です。

メンテナンスを怠ることで故障や不具合も発生しますし、そのたびに修理を依頼すると工賃の負担も大きくなってしまいます。オイルの交換やフィルターの清掃など、セルフメンテナンスができれば異常の発見も早くなりますし、工賃もかからないので維持管理にかかるコストを抑えることができます。カタログだけでなく、建機のプロであるディーラーに相談して、あなたにぴったりの油圧ショベルを見つけてください。

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