Cat 建機 研究所
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安全への視角
2017年7月 6日
熱中症の話
日ごとに陽射しが強くなり、気温が上がる季節に気を付けたいのが熱中症です。正しい対策法といざという時の応急処置を予習しておきましょう。
工事現場は、熱中症による事故が起きやすい環境にあります。ここ数年の業種別の熱中症による死亡災害の発生状況を見ると、建設業の占める割合が最も多く、ついで警備業。この2業種で、なんと全体の約6割を占めています。この理由は、建設業では、工事現場には日陰になる場所が少なく、長時間直射日光を浴びながらの作業を余儀なくされることや、安全第一のため、暑い日でも厚手の長袖長ズボンで作業することが多いからだと考えられます。
では、熱中症による事故を防ぐには、どのような対策をすれば良いのでしょうか?まずは作業を始める前に作業員の健康チェックを行うことです。寝不足や二日酔い、体調不良のまま、屋外での作業に臨むと熱中症になるリスクは高くなります。そのような作業員がいたら、作業場所や内容を配慮するようにしましょう。
作業の合間に、水分と塩分をこまめに補給することも大切です。高温環境で汗をかくと水分と一緒に塩分も失われます。このような状態で塩分(ナトリウム)が含まれていない水分を多量に飲むと、低ナトリウム血症となり倦怠感や吐き気、意識障害などの症状が出ることがあります。
塩分を少し含んでいる方が体に吸収されやすいというメリットもありますから、スポーツドリンクなど塩分を含んだ飲み物を選ぶようにしましょう。またあまり冷たすぎると内臓に負担がかかり、吸収されにくくなりますから、常温か8〜13℃に冷やしたものが良いでしょう。
そして、作業中には、なるべく体温を下げる工夫をすること。日陰や風通しの良い場所、涼しい休憩部屋を確保して時々休んだり、吸水性の良い綿の生地を選んだり、通気性の良い服を着るようにしましょう。ネッククーラーやクール肌着などの熱中症対策グッズを使えば、体温の上昇をさらに抑えることができます。
それでも万一、同僚に熱中症の症状が見られた場合には、重症度に応じて応急処置を取ってください。
● 熱中症の重症度
重症度がⅠ度〜Ⅱ度の場合の応急処置で重要なのは、体を冷やすことと水分を補給することです。まず、なるべく涼しい場所、できればクーラーの効いた屋内へ移動し、着衣をゆるめて楽な姿勢で休ませます。
次に、保冷剤や氷水で冷やしたタオルで、脇の下や首筋など大きな動脈が通っているところを冷やしましょう。さらにスポーツドリンクなどを十分に与えて、汗で大量に失われた水分や塩分を補給してあげましょう。経過を見て回復しなかったり症状が悪化するようであれば病院へ行き、点滴などの治療を受けましょう。
重症度がⅢ度の場合は、救急車を呼んで一刻も早く病院へ搬送し、集中治療を受けるようにしてください。
熱中症は、死に至ることもある危険な病気ですが、正しい知識を持ち、しっかりと予防対策をしていれば発症を防ぐことができます。熱中症にならないために、夏に向けて正しい知識を身に付けましょう。
作業を始める前に、二人一組になってお互いの表情や服装をチェックしよう!
熱中症のサインを見逃さず、早い段階で対処するようにしましょう。
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