Cat 建機 研究所
建設機械に関してのお役立ち情報をご提供しています。
建機活用術
2017年1月16日
建設機械の冷却水管理について
冷却水はエンジン構成部品を冷却するという重要な役割を担っています。
しかし、意外と無関心な場合が多いのではないでしょうか。
「始業時には毎回水の量を確認しているよ」という方でもそれだけでは見抜けない不具合の芽が潜んでいるかもしれません。
建設機械のエンジントラブルの約半数は冷却系統が原因と言われています。冷却水を適切に管理して行くことが、機械寿命にかかっていると言っても過言ではありません。
今回はそんな冷却水に関するお話です。
冷却水(クーラント)に関するトラブル事例
クーラント濃度の低下
クーラントの添加剤にはナトリウムが使われています。ナトリウムの濃度は使用時間が長くなるに従って徐々に低下していくものですが、オーバーヒートや空気の混入、過剰な水の追加などが原因で、著しく低下することがあります。
ナトリウムの濃度が下がるとキャビテーションが発生しやすくなります。キャビテーションとは、多数の小さな気泡が発生し、その気泡がはじける際に金属を壊食する現象を指します。
キャビテーションの発生を抑えるためには3つの方法があります。CATのエンジンはこれらを組み合わせて使っているので、取扱説明書の記載内容に準じて正しい取り扱いと日常メンテナンスをしていただければキャビテーションが起きることはほとんどありません。
また、異常燃焼による過大なピストン振動もキャビテーションの原因となります。これを抑制するためには安定した燃焼が期待できる適切な燃料(軽油)をお使いください。
クーラントの酸化
クーラントは年数が経つにつれて、徐々に酸化・分解が進み、初期の性能から劣化して行きます。しかし、オーバーヒートや空気の混入などがあった場合は、酸化が急速に進むことがあります。酸性化したクーラントは、冷却系統の部品を錆びさせる原因となります。
写真のようにサーモスタットが錆びると機能しなくなり、オーバーヒートの原因となります。さらに金属粉がラジエータコア内に堆積するなど、冷却効率の悪化につながります。
クーラントの劣化
冷却系統が錆びたり、エンジンオイルが混入したりすることで、クーラントは劣化していきます。サラサラ血液とドロドロ血液ではありませんが、劣化したクーラントは冷却系統内に沈殿物を生成させます。沈殿物がラジエータコア内に堆積すると、冷却効率が悪化してオーバーヒートしやすくなります。
冷却系統のメンテナンス
冷却系統のメンテナンスを適切なタイミングで継続的に行うことにより、突然の故障や性能劣化の予防に役立つだけでなく、機械寿命を延長することも可能になります。
S・O・S(フルード分析)のサービス
S・O・Sサービスでは、クーラントの分析をすることも可能です。
今回紹介したトラブルは、毎日水の量を点検し、定期的にクーラントを交換していれば必ず防げるというものではありません。このような場合でも、クーラント分析を行っていれば、予期していない突然のトラブルのリスクを大きく減らすことが可能です。また、キャタピラー製品以外の機械の分析も行えます。お気軽にこちらからお問い合わせください。
S・O・S(オイル分析)についてはこちら
製品の買い替え、点検・修理など、お気軽にお問い合わせください!
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