Cat 建機 研究所
建設機械に関してのお役立ち情報をご提供しています。
建機活用術
2016年6月30日
メンテナンスの重要性とメンテナンスキット
建設機械の高い性能を維持するために、消耗部品の定期的な交換などのメンテナンスはかかせません。キャタピラージャパンでは確実な定期メンテナンスのお手伝いとして、500時間、1,000時間ごとに交換時期をむかえるフィルタ類を1つにまとめ、メンテナンスキットとしてご提供しています。
メンテナンスの重要性
メンテナンスは機械を新車時の性能のまま使い続けるため、また、突発故障の危険性を低減させるために必要となります。
機械の日々の使用によるわずかな性能低下は、毎日機械を運転するオペレータでさえも気がつきにくく、機械性能が20%低下してはじめて気づくレベルになる、という社内調査結果もあります。さらに、性能低下に気がつかなかったり、気がついても放置してしまうことで突発故障の危険性も高まります。※1ひとたび突発故障が発生すると、機械の修理費はもちろん、現場を止めてしまうことによる工期の延長、現場作業員やその他の機械の遊休時間発生の問題も生じさせてしまいます。
こうした性能低下や突発故障の問題の多くはフィルタの目詰まりやオイルの劣化などが原因です。消耗部品の定期交換などのメンテナンスを徹底することで、これらの問題の大部分を改善することができます。
※1 日々の使用による性能低下に関してはキャタピラージャパンがご提供しているゆ~ふる(各種コンポーネントの性能診断)やSOSオイル分析サービスなどのサービスプログラムによる診断もご活用いただくことで、そのリスクを最小限に抑えることができます。
メンテナンスキットとは
一口にメンテナンスといっても、取扱説明書に定められた各種作業を決められた時間ごとにすべて実施するのは非常に根気のいる作業です。もっと楽に機械のメンテナンスをこなす方法はないのだろうか、そういったご要望から生まれたのがメンテナンスキットです。
メンテナンスキットは取扱説明書に記載されている定期メンテナンスのうち、500時間、1,000時間ごとに必要となるフィルタなどの消耗部品を1つの箱にまとめてお客様にご提供するキット部品です。これまで必要だった部品の選定、注文作業や受取り時の確認作業、メンテナンス実施時の確認作業などを省くことが可能となり、お客様の現場でも大いに役立ちます。
また、メンテナンスキットに含まれる部品は、2,000時間や3,000時間ごとなどのメンテナンス時にも必要となる部品なので、活躍する場は多くあるといえます。
左上の白いマットは廃オイル吸着材として使うアブソーベント
メンテナンスキットの特長
メンテナンスキットが他の部品と異なるのは専用の箱と、アブソーベントの存在です。専用の箱は部品保管時に機械の最大の敵であるホコリなどのコンタミをシャットアウトしてくれます。また、側面に「320D 1,000時間」などと書いておけば社内や現場内でのメンテナンス意識の徹底にも一役買ってくれるはずです。
それからもう1つ、すべてのメンテナンスキットに含まれるのが見慣れない白いマット、アブソーベントです。このアブソーベントは、廃オイル吸着材としてメンテナンス実施時にご活用いただくことで、コンタミネーション・コントロールの実践に役立ちます。フィルタ交換時や給脂時に汚れをきちんと拭き取らないと、メンテナンス時にコンタミを機械の中に侵入させてしまうことになりかねません。
このように、実際に作業を行うことを考えてつくられたのがこのメンテナンスキットなのです。
さらに、メンテナンスキットの良さはそのコンセプトや便利さだけにとどまりません。メンテナンスキットをより多くの方にご利用いただけるよう、純正フィルタを部品単品でお買い上げいただくよりもお得なキット価格でご用意しています。
なお、メンテナンスキットのラインアップに関しては上記の表をご覧ください。詳しい内容や対象機種に関しては担当の部のセールスマンか最寄りの販売店までご確認ください。
エンジンオイルフィルタ、燃料フィルタ、作動油リターンフィルタなど
純正フィルタ
メンテナンスキットに含まれるフィルタはすべてCAT純正のフィルタです。純正フィルタはキャタピラー製品がつねに最高の性能を発揮できるよう独自に設計されたフィルタで、他社のフィルタと比較して、高い濾過能力と信頼性を確保しています。
たとえば燃料フィルタには、極めて細かい濾紙(ろし)の採用とアクリル・ストリングによる濾紙のヒダの圧着防止により、人間の毛髪の太さ80/1000mm(80ミクロン)よりも遥かに細かい2/1000mm(2ミクロン)のコンタミまで捕捉する高い濾過能力を発揮します。
また、フィルタ内部のチューブは金属製ではなくナイロン製チューブを採用し、万一フィルタが損傷した場合にも機械本体のダメージを最小限に抑えます。
現在、排出ガス規制の強化や機械の高圧化などにより、以前に比べてエンジンや油圧機器はとても精密になっています。CAT純正フィルタで確実に定期交換を行うことで、重要なコンポーネントであるエンジンや油圧機器などを守り、高い機械性能の維持と修理コストの低減が可能となります。
メンテナンスキットの活用方法
離れた場所からでも、インターネットから正確かつ手軽に稼働時間や位置情報など※2を把握することができるPL-Japanはメンテナンスキットとの相性が抜群です。PL-Japanで取得した情報をもとにメンテナンスキットの注文および交換作業を適時に実施いただくことで、これまで以上に効率的な機械管理が可能となります。お客様の機械にPL-Japanが搭載されていれば、ぜひ一度この活用方法をお試しください。
愛車を大切にしていただき、できるだけ長く高性能のままお使いいただけるよう、キャタピラージャパンはこれからもお客様の機械の健康管理をお手伝いさせていただきます。
建機活用術 記事一覧
あわせて読みたい
特集記事
キーワード
- Tips集
- はい作業
- アタッチメント
- エアエレメント
- エンジンオイル
- オイル
- オペレーション
- オペレーター
- オーバーヒート
- カタログ
- ガス溶接
- クーラント
- グリスアップ
- コンパクトトラックローダ
- スキットステアローダ
- スキッドステアローダ
- タイヤ
- ダンプトラック
- バッテリ
- ブルドーザ
- ホイールローダ
- ミニホイールローダ
- ミニ油圧ショベル
- メカニック
- メンテナンス
- モータグレーダ
- リース
- レンタル
- 中古車
- 作動油
- 修理
- 健康チェック
- 免許
- 入門
- 凍結
- 危険回避
- 土木
- 定期点検
- 建機
- 建設
- 建設機械
- 教習所
- 林業
- 油圧システム
- 油圧ショベル
- 洗車
- 消耗品
- 熱中症
- 用語
- 用途
- 畜産
- 種類
- 腰痛
- 警告ラベル
- 資格
- 購入
- 足回り
- 足場作業
- 転倒災害
- 農業
- 造園
- 選び方
- 除雪